画家 浜田隆介

詩集

詩・酔いどれ舟 2

祭り

暑い澱みを裂いて
だんじり離子が聞こえてくる

摂津本山村の夏まつり

まつりはマツル・マツラウ
古代宗教の集団儀礼

生贊を供えて
時空を無視した神話のシミュレーター

神さんが来んとどもならん

糊のきいた膝丈までの浴衣着せてもろて
下駄はいてはしる

神さんおったでぇ

アート

わたしはアーチスト
ゲイジュツの発信者
ロマンを売る露天商人

身を削ってあなたに捧げる永遠のまこと

気まぐれな買手の唄で価値はさまざま

所詮ピエロでございます ハイ

王様 お恵みを

なまけもの

何を為てもダメなのです
超怪物になろうと気負っても無駄です

何を為てもダメなのかについて
もう少し時間をもらいましよう

ソドムの聖者は莫迦げています
群から抜け出したいと希う下衆根性を引きずって

いったい何を為ようとするのですか

それよりも
怠惰の世界で家元制度のメカニズムを
一緖につくりましよう

(昭和六〇年八月)

第1期
(1983年2月~11月)
第2期
(1985年6月~1986年5月)