画家 浜田隆介

詩集

詩集・酔いどれ舟より

肩ごし

“それ”は何だったのか 誰だったのか

いつでも“それ”の肩ごしに外を見てたんだよね

“ねえ どうなるの?”

“さあ どうなるんだろうね”

上目づかい

その人はいつも上目づかいにわたしをじっと
見つめているのです

“どうしてそんな目でわたしを見るのですかが”

“わたしはもう死んでしまっているからです”

噺し

何という素晴らしいお話ですこと

少し下品じゃございませんこと

あんまり理不尽じゃないの!

何たるおぞましいことを!

絶望ですわ

神さまにおすがりするしか・・・

噺しですよ は・な・し

(昭和六〇年十一月)

第1期
(1983年2月~11月)
第2期
(1985年6月~1986年5月)